2020年3月22日日曜日

新型コロナウィルスの世界的流行にあたってティボール・カウザー総長より励ましの手紙

日本在世フランシスコ会 兄弟姉妹の皆様

 τ Pax et Bonum!

 皆様もご存じの通り、今、世界は新型コロナウィルスの世界的流行(エピデミック)により、社会全体が深刻な不安に晒されています。教会もミサの中止を発表し、四旬節にも関わらず、ミサに預かることが出来ない方もおられるでしょう。
 そんな中で、私たち在世フランシスコ会のティボール・カウザー総長より会員の皆様に励ましの意味も込めて手紙が参りましたので、翻訳してお知らせいたします。要点は、まず新型コロナウィルスの感染拡大によって苦しんでいる全ての兄弟姉妹、そして人々と連帯し、心を一つにして一日でも早い感染の終息を祈ること。さらに私たちが、在世フランシスコ会会員として、このような困難の時に私たちが何をなすべきかを神に祈り求めることです。

 四旬節に相応しい回心の恵みを祈りながら

日本在世フランシスコ会 全国会長 竹田文彦


 

Prot. n. 3233 2020年3月12日ローマにて

 親愛なる全世界の兄弟姉妹の皆様 主の平和が皆さんとともに

 われわれは、この数週間、非常に厳しい決断と姿勢を求められる日々を送っています。この悲惨な状況から神が私たちに何を学ぶべきだと計画されているのか、定かなことわかりません。しかしながら私は、神は、何か驚くべき事を私たちのために用意していると信じております。
私たちは、毎日、急速に広まりつつある新型コロナウィルスについてのニュースを世界のいたる所から耳にしています。まだ影響が少ないか、あるいは、あっても限られている地域がある一方で、ある地域の状況は、はるかに深刻です。
 私たち、在世フランシスコ会会員は、「多様な生活環境の中で、それぞれの境遇にともなう義務を忠実に果たさねばなりません。」(『会則』第10条) このことが、今、最も私たちに求められていることです。快適な日頃の暮らしから、(ウィルスの感染拡大を避けるために)敢えて不便で制約のある生活をしなければならいのです。そんな中で、私たちの連帯と兄弟的生活も新たな意味をもつものとなりました。
 まず、最初に新型コロナウィルスに感染された方々のため、特に、日々、変化しているものの、現在、最も多くの感染者が出ているイタリア、中国、韓国、その他の感染によって苦しんでおられる人々のために私とともに祈って下さい。また、この病に苦しんでいる人々のみならず、患者の治療に当たっている人々、そして、物資の面でも精神的にも不安を抱えているすべての人々が、知恵と忍耐によって冷静にその重荷をたえることが出来るように祈りましょう。
 私たちは、このような状況下において、より困難を抱え、危機に直面しているすべての人々に注意を払うことが求められています。私たちの兄弟会には多くの高齢の兄弟姉妹がいますが、それらの兄弟姉妹にはいたわりと気配りが必要です。助けを必要としている兄弟姉妹には特別な配慮をお願いします。私たち一人一人が、兄弟姉妹、そしてすべての隣人に対してより大きな責任をもっていることを自覚せねばなりません。たとえ顔を合わせる機会が減ったとしても、神は、私たちに兄弟的生活を強める機会を与えておられるのだと思います。
 専門家の状況に対する意見が日々、厳しいものとなっています。一般社会、ならびに教会、双方の上に立つ人々から出される発表や宣言のいくつかは、私たちを驚かせ、時にショックさえ感じさせるかも知れません。しかしながら、それらは、すべて公共の善のためであると信じましょう。たとえ時に理解するのが簡単でなかったとしても、神に由来しない権威はないからです。(ロマ13:1) 神は、常に私たちに霊的にも物質的にも良いものを下さいます。
 主が、このような状況を許しておられることを通して何を私たちに語ろうとしておられるのか、心を開いて聞きましょう。神が、私たちの使命とは何であるかを皆さんが悟るよう助けて下さいますように。

皆さんの小さき兄弟 総長 ティボール・カウザー