2017年11月20日月曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会025

025
日本在世フランシスコ会会員の皆様


   以上で、私の第XV回在世フランシスコ会総会の報告を終えたいと思います。 私としては、2011年の総会出席以来の総会参加でしたが、今回は、日本の会員の兄弟姉妹の皆様にも在世フランシスコ会の国際総会はいかにして行われるかを知ってもらい、国際組織としての在世フランシスコ会について少しでも理解を深めて頂きたいので総会の合間の休憩時間などを使って会議での審議や議決の要点をより細かく報告致しました。


   皆様の中には、会が国際議長団によってこのように運営されていることを初めて認識された方もいらっしゃると思いますし、誓約前にこのようなことを知っていたら誓約したかどうかわからなかったという方もおられるかもしれません。 しかし、日本兄弟会は、国際兄弟会の一つであり、国際兄弟会があってこそ、日本兄弟会もあります。


   今回の総会は、今後、3年間の世界の在世会の運営の方針を決めるとともに、ヨハネ福音書に「あなたがわたしを世に遣わされたように、わたしも彼らを世に遣わしました」 (第17章18節) とありますように、在世会会員一人一人が、師父フランシスコに倣って、キリストに遣わされた者としていかに在世において福音的生活を生きるかを真剣に議論しました。


   在世会会則認可40周年を迎え、会の在り方もより活動の面にアクセントがおかれるようになってきました。 単に月1回、集会に出て、フランシスカン霊性について学んだり、一緒に祈るだけではなく、在世会員は、日々の生活それ自体においてキリストの福音を生きる者となっていかなければなりません。 ただ誤解しては欲しくないのですが、活動といっても何かをしなければならないということではありません。 高齢の会員は、祈りにおいて、また若い会員は、それぞれの家庭生活、社会生活においてそれぞれが、出来る範囲で、能力に合わせてふさわしい仕方においてです。


 来年3月に名古屋で開催される全国会議には、国際議長団から副総長のマリア・C・ヌネツ・チェリートさん (ベネゼエラ人) とペドロ・ジータ神父様 (フランシスコ会、南アフリカ人) が、選挙会議議長、証人として来られます。 日本在世会も少しずつ変わっていかなければなりません。 会員数が減ったとしても一人一人がより自覚的な会員となっていかなければなりませんし、私たちの生き方が魅力的になることを通して若い世代の入会者も増えるように願っています。


 総会に参加して、世界中の兄弟姉妹たちと議論だけではなく、それぞれの国の在世会の在り方から色々学ばせて頂くことも多かったです。 総会報告でした。
                                                             報告 全国会長 竹田文彦

総会に出席した世界の在世会評議員たち



2017年11月18日土曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会024

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フランシスコのフレスコ画
 総会は、毎日8日間、朝から晩まで真剣な討議が行われましたが、総会5日目は、会議の中休みということで、参加者全員でローマからバスで約2時間ぐらい、山深いスビアコに巡礼しました。スビアコは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、西欧における修道生活の父、聖ベネディクトが最初に隠遁した場所として知られているところです。聖ベネディクトが隠遁した洞窟 (サクロ・スペコ) には、今日、岩山に張り付くようにして11世紀から12世紀に建てられたという修道院が建っています。内部の壁は、一面、聖ベネディクトの生涯などを描いた美しいフレスコ画で飾られていてとても美しいです。

  私たちがスビアコ巡礼をした理由は、伝説によれば師父聖フランシスコもこの場所を訪れたことがあったそうで、その名残りが壁画に描かれたフランシスコ像に見て取れるというからです。壁画のフランシスコ像には、聖痕がなく、死後の姿ではなく、生前の姿であることが特徴だとガイドの方が説明して下さいました。


  サクロ・スペコを訪問した後、山の麓にある聖ベネディクトの双子の妹、聖スコラスティカが建てた修道院も訪れ、皆でミサをあげました。総会期間中は、あまり天気の良い日が無かったのですが、この日は、晴天で紅葉した山並みがとても美しく、世界の兄弟姉妹とともに楽しい一日を過ごすことができました。 



スビアコの修道院





在世フランシスコ会 第XV回国際総会023

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 すべての総会審議が終わり、閉会ミサが、総補佐で日本にも来られたことのあるアマンド神父様の司式で行われ、世界の70ヶ国以上の国の兄弟姉妹、オブザーバー参加も含めると100ヶ国以上の国からの参加者が集まり、これからの3年間の在世会の活動について話し合う機会が与えられたことを神に感謝しました。

2017年11月17日金曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会022

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シリア兄弟会の現状について話す
姉妹と霊的補佐の神父様
 最後に、総会の決議文書(final document)案がアメリカの姉妹から提案され、それについて様々な質疑応答が行われ、多少の変更を行って総会の正式な決議文とすることになりました。
 (最終テキストが公にされたら日本語に翻訳して日本兄弟会の皆様にもお配りしたいと考えています。)

 さらに今回の総会にオブザーバーとして招待されていた、シリア兄弟会の姉妹と霊的補佐の神父様から内戦によって破壊されたシリアとシリア兄弟会の現状について、ビデオを交えて報告がありました。とても厳しい現状の中、平和の使徒、師父フランシスコにしたがって生きていこうとしている姉妹の姿に総会参加者すべて、強い感銘を受けました。

シリアの戦争前と後

在世フランシスコ会 第XV回国際総会021

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いよいよ、総会8日目、最終日。
総会で話し合われた様々な案件に関して最終的な投票が行われました。

1つめは、ポルトガル語を在世フランシスコ会の5番めの公用語にするか?
     賛成 8、反対  60、白票 6
     → 否決

2つめは、これから3年間の予算案の承認。財務担当者のルーチョさんが予算案についての更なる説明を行って下の予算案が提示されました。
     2018年  € 207,774.00 (約2,750万円)
     2019年  € 213,767.00 (約2,830万円)
     2020年 € 219,854.00 (約2,913万円)
 用途は色々ですが、収入に関して会員の皆さまの会費と献金に頼ることになります。投票結果は、
     予算案の承認 63、反対 2、白票 6  (日本は反対)
     → 承認
総長と前総長、アジアの評議員たちと
 (日本兄弟会としては、実際に入ってくるかどうかわからない会費と献金をあてに予算を作ること自体が理解できませんし、様々な事務所を作ることによりスタッフの給与など、さらにお金が必要になるかもしれない、さらに高齢化などにより会員が減少している国々では国際兄弟会をいくら支えたくても支えられない、それにもかかわらず、年々、増える予算案には賛成出来ないので反対に投じましたが、承認されてしまった以上、どうしようもありません。全予算のうち会員数やそれぞれの国の政治・経済状況などを考慮して、日本に割り当てられた額は、円換算で2018年 17万円、2019年 17.5万円、2020年 18万円 と決められました。これまで日本兄弟会は、会員一人頭、€ 1.5を国際兄弟会への会費として納めてきましたので、一気に約3倍ぐらいになったことになります。ともかく対応については、これから全国評議会で話し合うことにしたいと思いますが、在世会は、すべての会員の会費と献金で動いている国際組織であるとの認識を会員一人一人がきちんと持つことが必要です。)

3つ目は、YouFra(ヤング・フランシスカン)に対するOFSの協力を強めること
     賛成 68、反対 0、 白票 1、投票せず 6
     → 承認

4つ目は、在世会会員が霊的補佐をする際、第一会や律修第三会と協力してトレーニングを行う
     賛成 65、反対 0、白票 5、投票せず 5
     → 承認

在世フランシスコ会 第XV回国際総会020

020
“Instrumentum Labolis” の提案に対する投票が行われた後、さまざまな国のプレゼンターによる更なる提案や報告が行われました。

 まず、ポルトガルの兄弟からは、在世フランシスコ会の公用語として、イタリア語、フランス語、スペイン語、英語の4ヶ国語に加えてポルトガル語も公用語に加えて欲しいとの提案がなされました。投票は、翌日に行われます。

 聖公会のフランシスカン、Society of St. Francisから総会にオブザーバー参加していたイギリス人のジェレミーさんからは、今後、カトリック教会、聖公会の違いを超えて同じフランシスカンとして協力していくことが確認されました。

アジアの姉妹たちとカプチン会の総補佐
フランシス神父様 ― 朝食の一コマ
 マダガスカルの兄弟からは、1947年に殉教し、2012年に列福された在世会員 Lucien Botovasoa が紹介されました。

 オーストリア人の姉妹からは、ヒットラーの軍隊に加わることを拒絶したために殉教し、2007年に列福された在世会員Franz J ägerst ätter が紹介されました。

 さらに、在世フランシスコ会草創期に関わり、信者としても素晴らしい生き方をされたイマヌエラ・ヌンティオ、イマヌエラ・マティオリ、アウグスト・ナタリーの列福に向けて在世フランシスコ会は動いていることも報告されました。
 

2017年11月16日木曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会019

019
  総会7日目、カプチン会総長によるミサ、朝食の後、これまでの討議を踏まえて “Insturmentum Labolis” の提案に対する投票が行われました。それに先立ってグループに分かれて賛成か、反対か、反対ならば、代案となる提案の具体的な案文が話し合われました。


 その上で投票。この投票は、それぞれの国の在世会に大きな影響を与えるものですから安易な投票は出来ません。多数決ですから結果には従わねばなりませんが、日本兄弟会が従えないような提案には少なくとも反対票を投じなければなりません。過半数で承認です。


結果は、


1. 養成
「会員が、在世フランシスコ会会員としてのアイデンティティと帰属意識を深めるために、初期養成、ならびに生涯養成の仕事をする常設の国際レベルの事務所を設ける。」
   賛成 49、反対 17、白票5、投票せず 5  (日本は賛成)
   → 成立


2. 兄弟会の生活
「「会憲」に書かれている在世フランシスコ会の組織について見直し、必要であれば「会憲」に変更を加えることも視野に、在世フランシスコ会の、また会員の在世性を反映したより中央集権的ではない組織を作る。組織の非中央集権化とともに、より柔軟な組織運営を、特に各地兄弟会を指導し、導くことを目的に目指す。」
   賛成 41、反対 31、白票 3、投票せず 1  (日本は賛成)
   →  成立


3. 兄弟的で福音的世界の建設
「JPIC(正義と平和、被造物との連帯)に関わる在世会国際事務所を設け、他のフランシスカン家族のJPICに関わる組織と一緒に活動していけるようにする。この事務所は、在世会会員が特に関心を寄せる様々な国際問題を取り上げ、それらに早急に対応していくように努める。例えば、自然災害などが起こった時、被害を受けた地域の在世会や他の団体に対して適切な支援と援助を提供する。」
   賛成 55、反対 16、白票 5  (日本は反対、既存の組織との関係が明確にされていないため)
   → 成立


4. リーダーシップ
a(1). 「すべての終生会員のデータを集め、国際的に電子登録、管理するためのシステムを構築する。」
   賛成 5、反対 67、白票 4  (日本は反対、会員の情報流出の危険性があるため)
   → 不成立
代案 「会員のデータは、各国の在世会がきちんと管理する。電子登録、管理が望ましい。」
   賛成 59、反対 8、白票 6
      (日本は白票、電子管理等は、日本在世会では現時点では不可能なため)
   → 成立
a(2).「世界の各地兄弟会のデータを国際兄弟会が電子管理するシステム構築のために、各地兄弟会の情報を集める。」
   賛成 46、反対 16、白票 10  (日本は反対)
   → 成立
b. 「会長、副会長、事務長、財務担当者、養成責任者、JPICコーディネーター、YouFraコーディネーター、国際評議員等、リーダー育成のための教材を作る。」
   賛成 62、反対 6、白票 5、投票せず 2  (日本は賛成)
   → 成立
c. 「在世会の活動のために、特別な技能や才能をもっていたり、常設事務所で働いたり、他の国の選挙会議の議長を務めたり、兄弟的訪問したり、種々の問題解決のサポートをしたりできる会員のリストを作る。」
   賛成 43、反対 20、白票 8、投票せず 4  (日本は賛成)
   → 成立
d. 「フランシスカン家族、特にフランシスカン家族協議会 (the Confernce of the Franciscan Family)との定期的交流を強め、より広い仕方でフランシスカン家族内における諸活動を調整したり、協力出来るようにする。」
   賛成 63、反対 0、白票 11  (日本は賛成)
   → 成立
e. 「在世会が種々の実際の仕事や活動を効率良く運営したり、推進するために国際評議会や国際議長団に対し適切な支援を行う。」
   賛成 18、反対 24、白票 32 (日本は反対)
   → 不成立 (提案の意味が不明瞭のため)


5. コミュニケーション
「常設の国際コミュニケーション事務所を設け、コミュニケーションを進めるために、ウェブや社会メディア、雑誌の発行どうに専門的技術をもったスタッフを置く。場合によっては、事務所は、質の高い仕事を維持するために専門家を契約して雇う。
   賛成 42、反対 12、白票 21、投票せず 1  (日本は白票、財源が不明のため)
   → 成立


6. 財務
「国際評議会は、国際兄弟会のために、収入を生み出したり、支出を管理コントロールする新たな財政システムを構築する。この財政システムは、会の財源を管理・運用のそれぞれの必要性に応じて分配するとともに、必要であれば各国の兄弟会を超える主導権をもつ。
   賛成 54、反対 4、白票 16、投票せず 2
(日本は反対  もし、財務において国際評議会が、各国の兄弟会を超える主導権をもてば各国兄弟会の状況を無視して、多額の請求がなされることになる可能性がある。)
   → 成立


 日本全国会長として日本兄弟会のことを考えて投票しましたが、特に6番目の財務に関する投票では、強く反対したにも関わらず、提案が通ってしまったことは残念でした。

2017年11月13日月曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会018

018
 さらにこの日は、4日目に行われたYouFra代表のプレゼンテーションを受けて、それぞれの国のYouFra の状況について、グループ討論が行われました。

討論課題は、
総会に出席したYouFraメンバーとアニメーターたち
1. YouFra (ヤング・フランシスカン) と在世会(OFS) の関係についてあなたはどう考えるか?
2. もしあなたの国にまだYouFraが存在しないならば、これからYouFraを作る努力をしますか?
3. YouFra会員が、国際レベルだけではなく、すべての段階において在世会の会員でもあることについてどう考えますか?
4. あらゆる段階の兄弟会においてYouFra に対する兄弟的アニメーターがいますか?また彼らは自分の役割を認識していますか?
5. YouFraと在世会の繋がりをすべての段階においてもっと密接にするためにあなたは、どのようにしたら良いと考えますか?

英語グループ2のこれらの討論課題に対する答えは、

まず課題 1 と2 については、
リトアニア: YouFra と在世会の関係は、だいぶ進んできており、誓約式やクリスマスなどを一緒にお祝いしている。
ウクライナ: YouFraは、比較的最近に創設され、4兄弟会が正式に承認されている。
日本: 以前、2つのYouFra兄弟会が、京都と東京にあったが、今は存在しない。改めて設立に向けて努力したいと思っている。
スロベニア: YouFraは、在世会とは別の組織と考えられてきたが、改めて在世会と繋がりを深める努力をしており、一緒に会議を開催したりしている。6つのYouFra兄弟会が存在している。在世会のためにいかにYouFraを霊的に補佐していくかを学ぶ学習会などが必要である。
南アフリカ共和国:10年以上前から200人から300人のYouFra会員がいるが、あらゆる段階において霊的に補佐し、同伴する必要がある。
ニュージーランド:YouFraは、存在しないが、種を蒔くような仕方でYouFraを作るための第一歩の取り組みがなされ、成果をあげている。

課題 3 については、
 YouFra会員が、同時に在世会であることは、いくつかの国では問題的だと考えられており、一方、上手くいっている国もある。

課題 4 については、
 リトアニアは、すべての段階に、南アフリカは、地区兄弟会の段階にのみ、またウクライナは、全国兄弟会のみにいると答え、様々であることがわかった。

課題 5 については、
 私たちの提案として、YouFraと在世会の関係をより緊密にするためには、YouFra国際評議会が、在世会に対してもっと連絡を頻繁に行い、彼らの活動について少なくとも毎年報告を行うこと、そのためにも3年に一度は、国際評議会を開いて現状把握に努めてもらいたい。

(日本には、YouFraが現在、存在しませんが、アジア諸国では、フィリピンやベトナムに沢山の会員がおり、積極的に活動しています。日本在世会も、私たちの将来のために、難しいことですが、若い世代の育成に努めねばならないと思います。)

2017年11月12日日曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会015・016・017

写真は015
 総会6日目、コンベンツァル聖フランシスコ修道会Marco Tasca総長によるフランス語ミサ、朝食に続いて、総会テーマに関するラウンドテーブルが行われました。


 今回の総会のテーマは、すでに書きましたように「在世会員は、世に遣わされた者として、それぞれの生活においていかに福音を証しするか?」ですが、 最初にミラノ教区に住む40代の在世会イタリア人カップルが、教区の事業としてベネゼエラに派遣され、そこの貧しい人々のために働いた体験を分かち合ってくれました。 聖職者がイタリアでも減少している中で、信徒として宣教に派遣された素晴らしいお話でした。


コンベンツァル総長(私の左)とアジアの兄弟姉妹
 続いて環境保護に在世会員として積極的に取り組んでいる兄弟が、在世会会員の社会生活への関わりについて「会則」15条、「会憲」22条をもとに話されました。 我が国でも、すでに『ラウダート・シ』を用いて様々な勉強会などが開かれていますが、在世会会員として原発問題など、さらに取り組むべき多くの具体的課題があるように思います。


 その後、社会生活における在世会会員の召命について様々な議論が全体でなされましたが、在世会会員の政治参加に関しては、政治はともすれば汚い世界なので関わらない方が良いとする南米の兄弟姉妹の意見と、むしろ積極的に関わって社会に福音的価値を浸透させた方が良いという意見に別れました。


 日本兄弟会でも、一人一人の会員が在世における生き方について、真剣に話し合ってみても良いかもしれません。


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総会が開かれているSeraphicum
 霊的補佐に関するプレゼンテーションでは、どこの国でも第一会の神父様やブラザー、またフランシスカン家族のシスターを霊的補佐になって頂くことが様々な理由で難しくなってきており、在世会会員が霊的補佐を務めなければならないケースも増えてきている。 そんな際に、霊的補佐を務める上で重要なことは何か、実際に霊的補佐も務めている兄弟から聞きました。 さらに霊的補佐役をする在世会会員の訓練を第一会と協力して行うことにすべきだとの提案がありました。

 日本の在世も適切な霊的補佐を見つけるのが困難になりつつありますから、在世会会員が各地兄弟会の霊的補佐を務めなければならない場合も出てくると思います。 (すでに私自身、一つの各地兄弟会の霊的補佐を務めています。)  しかし、あくまでも第一会からの任命によるとはいえ、様々な問題を認識しておくことは大切ですし、霊的補佐役の訓練について、やはり神父様方やシスター方も含めて研修会などが必要だと感じました。


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予算案を説明するルーチョさん(右の男性)
 次に、財務状況について財務担当者のルーチョさんから今後、3年間の予算案が提示され、さらに副総長のチェリートさん(ベネゼエラ)、財務コミッションのアウグスティンさん(韓国)から説明がされました。

 しかし、出された予算案は、これからの3年間、少しずつ増加するもので、その財源についてどこから得るのか、用途について明確でない、また、それぞれの国の状況をきちんと把握していないなど、様々な意見や質問が相次ぎました。
 また、色々な国の国際評議員からの声を聞いていると、国際議長団が会費を決めたり、徴収するための資料としている誓約会員数そのものが、問題的で、実際的には高齢や連絡が取れない会員の数を多く含んでいる、自分たちの国はそんなに払えない、などの声がありました。実際に、きちんと会費を納めた国は、2014年は、112ヶ国中44ヶ国、2016年においても116ヶ国中72ヶ国、つまり62パーセントに過ぎません。

 議論が時間切れとなりましたので、この日は、各国ごとに疑問があれば夕食後に個別に財務担当者と話をすることになりました。






2017年11月11日土曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会014

014
  総会4日目の締めくくりとして晩の祈りが行われました。その最後に、在世フランシスコ会は、来年の1年を「会則認可40周年」の記念の年として世界の兄弟会で祝うこと。 どのように記念の年を祝うかについて各国の兄弟会は、来年3月までに国際議長団に案を出してくれるようにいわれました。


 そして、総会参加者一人一人にイタリア語で書かれた最初の「会則」のコピーが手渡されました。(頂いたのは一部でしたが、日本の各地区兄弟会のために別途、8枚購入しましたので全国会議の際に、各地区長様に差し上げたいと思います。)


在世フランシスコ会「会則」のコピーを見せる
総長と副総長

2017年11月10日金曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会012・013

012
 4日目の午前中から午後にかけて昼休みを間に挟んで3時間、グループに分かれて”Insturmentum Laboris” における6つの優先課題についてグループ討論。どの提案に関してもグループの中でも意見が割れたものも多かったです。しかも、例えば事務所などを設ける場合、お金はどうするのか、人材はどこから確保するのか、それぞれの国の兄弟会は、どの点で貢献出来るのか、まで考えなければなりません。

私が属する英語2グループで出た意見は、
① 養成 - 提案: 在世会会員養成のための国際事務所を恒常的に設立する
賛成 - 9、反対 - 0、白票 - 0
(私は、養成のための事務所を作ることは素晴らしいですが、財源はどこから出すのか、わかりませんから白票に投じました。)
② 兄弟的生活 - 提案: 中央集権的ではない在世会の在り方を作る。ヨーロッパや南米における在世会の在り方が模範でも絶対的でもない。それぞれの国の現状に合わせて在世会はあらねばならない。しかし、どのようにしてそれは可能なのか?
賛成 - 2、反対 - 7
(日本在世会の会長として、私は、やはりまだまだ中央集権的で、それぞれの国の在世会の現状に合わない要求が国際議長団からされたりしている気がしましたので、反中央集権化を進めるのが相応しいと考えますが、ヨーロッパ中心的な考えがまだ強いことに驚きました。)
③ 兄弟的で福音的世界の建設 - 提案: JPICに関わる国際事務局を恒常的に在世会の中に設ける。
賛成 - 6、反対 - 3
(在世フランシスコ会が独自のJPIC事務所を設けなくても、すでにFranciscan Internationalなどのフランシスカン家族の組織がすでに存在しているので反対に投票しました。)
④ リーダーシップ - 提案: すべての誓約会員のデータを国際的に把握し、各会員の能力を活用する。さらにリーダーの訓練のための材料を提供する。他のフランシスカン家族との協力も必要。
賛成 - 0、反対 - 9
(すべての誓約会員をデジタルで把握し、一人一人の会員の能力などに応じて人材的に活用しょうとすることには、危険が伴う。データの流出により共産主義国、イスラム教国などにいる会員には迫害や命の危険が及ぶかもしれない。会員の把握は、それぞれの国の評議会が行えばよい。したがって、反対となりました。)
⑤ コミュニケーション - 提案: 国際コミュニケーション事務局を恒常的に設ける。
賛成 - 9、反対 0
⑥ 財務 - 提案: 在世会員はすべて会費を払う必要があることを徹底させる。(例外はない。) そのために国際兄弟会は、すくなくとも年に四回、すべての国の在世会に財政状況について連絡する。
賛成 - 9、反対 0
(会員が会費を納める事は当然ですが、なぜそれが徹底されないかというと支出の説明が明確ではないからだと思います。ただ納めろ!では納得出来ないのは当然。きちんと財務状況、支出状況の説明が年4回とは言いませんが、少なくとも毎年、されなければ会員はお金のことですから納めませんね。したがって条件付きで賛成となりました。)
写真は総会期間中の毎日のミサ、晩の祈りのパンフレット

013
 4日目夕方のセッションでは、アフリカやアラブ世界などの国の在世会員たちに対する様々なプロジェクト活動報告がなされました。貧困や政治的、宗教的に迫害を受けている兄弟姉妹をいかにサポートしていくか、さまざまな試みがすでになされ、一定の成果をあげていることが報告されました。またYouFra(ヤング・フランシスカン)の代表から現状と、在世会とYouFra の関係についてプレゼンテーションが行われました。



 象牙海岸で6月に行われた
フランス語のワークショップ
 師父聖フランシスコてサラセンの王の和解
在世会会員がいるアラブ諸国

在世フランシスコ会 第XV回国際総会011


011
 総会4日目、スペイン語ミサ、朝食に続いて、世界中に広まる在世会員たちの一致と兄弟的交わりのために努力され、1990年11月3日になくなった初代フランシスコ会総長マヌエラ・マティオリを記念。彼女の伝記の出版が報告されました。


 その後、いよいよ本総会の作業課題、”Insturmentum Laboris” の各セクションに関する討議が始まりまた。”Insturmentum Laboris” は、日本兄弟会の皆さんにも話し合って頂いた 国際からの宿題、“全世界に広がる在世フランシスコ会をすべての段階においてどのような形で運営すべきでしょうか” に対する各国からの回答をもとにまとめられたものです。(国際議長団から提案されたものではない点を注意して下さい。「上から下に」出されたものではなく、末端の各地兄弟会からの提案を集約したものなのです。)


 その中で優先課題とされた8つの領域のうち最初の6つが、今日のグループ討議の課題になりました。
① 養成 - 提案: 在世会会員養成のための国際事務所を恒常的に設立する
② 兄弟的生活 - 提案: 中央集権的ではない在世会の在り方を作る。ヨーロッパや南米における在世会の在り方が模範でも絶対的でもない。それぞれの国の現状に合わせて在世会はあらねばならない。しかし、どのようにしてそれは可能なのか?
③ 兄弟的で福音的世界の建設 - 提案: JPICに関わる国際事務局を恒常的に在世会の中に設ける。
④ リーダーシップ - 提案: すべての誓約会員のデータを国際的に把握し、各会員の能力を活用する。さらにリーダーの訓練のための材料を提供する。他のフランシスカン家族との協力も必要。
⑤ コミュニケーション - 提案: 国際コミュニケーション事務局を恒常的に設ける。
⑥ 財務 - 提案: 在世会員はすべて会費を払う必要があることを徹底させる。(例外はない。) そのために国際兄弟会は、すくなくとも年に4回、すべての国の在世会に財政状況について連絡する。
初代在世フランシスコ会総長の伝記を紹介する副総長。後ろ右は、前総長。

2017年11月9日木曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会010

総会のプログラム

010
 その後、マイケルさんのプレゼンテーションを受けて2回目のグループ討議が6つのグループに分かれて行われました。討議のために出された課題は、

 1. 総会のテーマに関するプレゼンテーションにおいてあなたが聞いたことに対するあなたの反応は?
 2. あなたの兄弟会にあなたは何を持ち帰りたいですか?
  私たち英語グループ2で、各国の兄弟姉妹から出た質問1 に対する意見は、
世俗化が進んだ今日でも、世の中のただ中で福音的生活を生きることは可能であり、いかなる言い訳も許されない。在世会会員すべてが、生活のあらゆる側面において福音を生きなければならない。
社会生活と在世会会員としてな生活は、区別されてはならない。
いかなる仕事も福音的価値のもとに行わなければならない。
社会において一人一人の在世会員が福音的価値の証しとならなければならない。
いかなる困難においても恐れてはならない。

 質問2に対しては、私はやはり日本の在世会会員は、まだまだ会員一人一人が、それぞれの場で福音的価値の証しになれていないと感じますので、教会や在世会の集会時だけにとどまらず、それぞれの社会生活において、兄弟姉妹がフランシスカンとしての福音生活をもっと実践していける勇気をもって欲しいと、マイケルさんのお話に触発されて伝えたいと思います。

2017年11月8日水曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会008・009

008
 総会3日目、フランス語のミサ、朝食に続き、朝から財務責任者のルーチョさんからの会の財務報告が行われました。あくまでも現状の報告であります。具体的な討議は、翌日以降にするとして、資料がとても分かり難くく、ただ議長団は、少なくとも今年に関しては少ない財源の中で良くやっているとしか言えませんでした。

 以上の報告を受けて「議長団報告」と「財務報告」について承認の投票が行われました。「議長団報告」は、ほぼ満票で承認、「財務報告」に関しては、賛成58、白票9で承認されましたが、わが国としては、「財務報告」に関して支出に関する明確な説明がなく、会計表も極めて分かり難いことを理由に白票に投じました。

009
 午後からは、今回の総会テーマ、ヨハネ福音書の第17章18節、「あなたがわたしを世につかわされたように、わたしも彼らを世につかわしました」、イエスが使徒たちを世に遣わしたように私たち、在世フランシスコ会会員も師父フランシスコに倣って、在世においてキリストの福音の証人となり、人々に伝えていく使命を担っているが、それはいかにして可能か、に関連してオランダの在世フランシスコ会会員で、胸部外科科医師のMichel Versteegh さんから在世会員としての、また医師としての個人体験についての話を聞きました。

 胸部外科医師として時に臓器移植手術のような臓器提供者(ドナー)にとっても提供を受ける側の人にとってもかなりな精神的負担を伴う場に立ち会うこともしばしばであったそうですが、常に福音のメッセージを旨に働いてこられたとのことです。
 在世フランシスコ会の特徴の一つは、「在世性」にありますが、それは私たちが、まさに仕事にせよ、家庭にせよ、それぞれがおかれた場所で師父フランシスコに倣って福音的生活を生きることにあります。今日、世俗化が進み、普段の生活と在世会会員としての生活を分けて考える、あるいは、普段の生活で福音的生活は不可能である、と考えていないでしょうか?。 しかし、在世会会員にとって生活全体がキリストに倣うものでなければなりません。

 Michelさんは、ご自身の体験のお話の最後に、それを可能とさせる10個の鍵を提示されました。

1. 教育と知識、つまり養成
2. 役割の認識と適切な手本
3. 自分に与えられた才能に合わせての選択
4. 求められたことに「はい」と答えよう、いかなる状況においても「はい」でなければならない。  つまり、後戻りしてはならない。
5. (在世会の召命への)献身
6. 毎日を神様のために献げること
7. 福音から生活へ、そして生活から福音へ
8. すべての仲間が等しく価値をもったチームであるという認識
9. はじめの第一歩を忘れず、それをどこまで、投げ出したりせずに続けること
10. 毎日を新たに始めること

 これら10のキーワードは、分かり難いかもしれませんが、マイケルさんが在世において在世会会員として生きるために常に心がけてこられたことだそうです。



在世フランシスコ会 第XV回国際総会007

005
昼休みを挟んで国際議長団からの報告が続きました。

   この3年間に80ヶ国に渡る様々な国々で選挙が行われ、国際議長団から議長と証人が派遣されてきました。一方で、6年に一度、受けるべきとされている兄弟的訪問、司牧的訪問に関しては、各国の評議会からあまりリクエストが来ませんでした。 (日本は、2010年に受けているのですでに6年を経ていますので近々、受けねばなりません。)

各種委員会の活動としては、
① コミュニケーション委員会  - Facebook などを用いて在世フランシスコ会内部だけではなく社会一般にその存在と活動を理解してもらえるようにしたり、ニュースレター “Franciscan Vox” を1年に2回、4ヶ国語で発行したりしました。

② JPIC委員会 - 環境、貧困問題など世界的規模で取り組まなければならないについて様々な仕方で積極的に取り組みました。

③ 家族委員会 - 家族生活は、「家族は、三位一体的愛の証し」をテーマに活動。家族の大切さ、結婚の意味について様々な養成、研修会を世界中で展開しました。

④ 養成委員会  - それぞれの国において会員の養成が効果的に行われるために養成に役立つテキスト等を提供できるように努力しました。

⑤ 法制委員会 - 各国の規則の見直し、議長団、各国の評議会からの会憲、規則についての質問に答えるなどの仕事をしてきました。

⑥ フランシスカン若者育成委員会 - 2016年、ポーランドでのWYD(= world youth day) の前に国際議長団と委員会は、クラコウで7月22日から25日にYufraの国際集会を開催し、24のYufra兄弟会から約100人の若者たちが集まりました。

⑦ 財務委員会 - 会則25条、会憲30条3項が厳守されるように議長団とともに努力した結果、財務状況を正確に、即座に把握できるシステムが確立した。また2014年に44ヶ国しかなかった国際兄弟会への献金が2017年には72ヶ国に登りました。嬉しいことに多くの国の兄弟会が国際的に協力していくことの大切さに気がつき始めています。
 国際議長団は、より少ない財源にも関わらず、とても良くやっていると評価すべきでしょう。




006
 さらに、総補佐委員会 (4人の国際総補佐で構成)からの報告が続きました。まず総補佐の顔ぶれが以前からかなり変わり、以下のメンバーになりました。


  ペドロ神父様  (フランシスコ会 南アフリカ)
  アルフレッド神父様  (コンベンツァル聖フランシスコ修道会 インド)
  フランシス神父様  (カプチン会 カメルーン)
  アマンド神父様  (TOR メキシコ)


 総補佐は、証人として各国の選挙会議を訪問するとともに司牧的訪問を行ったり、各種委員会の活動に協力しました。


 私が、総補佐の新しい顔ぶれを見て感じるのは、全員、ヨーロッパではなく、アフリカや南米、南アジア出身であることです。



在世フランシスコ会 第XV回国際総会005・006

005
昼休みを挟んで国際議長団からの報告が続きました。

   この3年間に80ヶ国に渡る様々な国々で選挙が行われ、国際議長団から議長と証人が派遣されてきました。一方で、6年に一度、受けるべきとされている兄弟的訪問、司牧的訪問に関しては、各国の評議会からあまりリクエストが来ませんでした。 (日本は、2010年に受けているのですでに6年を経ていますので近々、受けねばなりません。)

各種委員会の活動としては、
① コミュニケーション委員会  - Facebook などを用いて在世フランシスコ会内部だけではなく社会一般にその存在と活動を理解してもらえるようにしたり、ニュースレター “Franciscan Vox” を1年に2回、4ヶ国語で発行したりしました。

② JPIC委員会 - 環境、貧困問題など世界的規模で取り組まなければならないについて様々な仕方で積極的に取り組みました。

③ 家族委員会 - 家族生活は、「家族は、三位一体的愛の証し」をテーマに活動。家族の大切さ、結婚の意味について様々な養成、研修会を世界中で展開しました。

④ 養成委員会  - それぞれの国において会員の養成が効果的に行われるために養成に役立つテキスト等を提供できるように努力しました。

⑤ 法制委員会 - 各国の規則の見直し、議長団、各国の評議会からの会憲、規則についての質問に答えるなどの仕事をしてきました。

⑥ フランシスカン若者育成委員会 - 2016年、ポーランドでのWYD(= world youth day) の前に国際議長団と委員会は、クラコウで7月22日から25日にYufraの国際集会を開催し、24のYufra兄弟会から約100人の若者たちが集まりました。

⑦ 財務委員会 - 会則25条、会憲30条3項が厳守されるように議長団とともに努力した結果、財務状況を正確に、即座に把握できるシステムが確立した。また2014年に44ヶ国しかなかった国際兄弟会への献金が2017年には72ヶ国に登りました。嬉しいことに多くの国の兄弟会が国際的に協力していくことの大切さに気がつき始めています。
 国際議長団は、より少ない財源にも関わらず、とても良くやっていると評価すべきでしょう。




006
 さらに、総補佐委員会 (4人の国際総補佐で構成)からの報告が続きました。まず総補佐の顔ぶれが以前からかなり変わり、以下のメンバーになりました。


  ペドロ神父様  (フランシスコ会 南アフリカ)
  アルフレッド神父様  (コンベンツァル聖フランシスコ修道会 インド)
  フランシス神父様  (カプチン会 カメルーン)
  アマンド神父様  (TOR メキシコ)


 総補佐は、証人として各国の選挙会議を訪問するとともに司牧的訪問を行ったり、各種委員会の活動に協力しました。


 私が、総補佐の新しい顔ぶれを見て感じるのは、全員、ヨーロッパではなく、アフリカや南米、南アジア出身であることです。



在世フランシスコ会 第XV回国際総会003・004

003
 総会2日目の朝、フランシスコ会総長 Michael A. Perry 神父様司式のミサ、朝食の後、まずは予備セッションが行われました。

 最初に参加者一人一人が国ごとに紹介されました。 続いて「総会規則」、「総会のプログラム」の承認、「各部会で司会者(moderator) を務めてくれる兄弟姉妹」の投票による選出が行われました。 すべては、参加している国際評議員の投票によって決まります。 緑のカードが賛成、赤のカードが反対、白のカードが白票です。





004
 予備会議に引き続いて、まず国際議長団から世界の在世フランシスコ会の現状と国際議長団のこの3年間の活動報告(前半)がなされました。

 現在、在世会員は、世界の112の国に存在しており、承認された兄弟会として70ヶ国、承認を目指している兄弟会として18ヶ国、在世会員の存在が確認される国の兄弟会は19ヶ国、さらに特定の事情で国際議長団の管轄のもとにない国の兄弟会が5ヶ国です。

 ヤング・フランシスカンは、75の国にあり、そのうち33ヶ国はローマから承認されており、29ヶ国のヤング・フランシスカンが承認待ち、他に13ヶ国にヤング・フランシスカンの会員がいます。

 ヨーロッパの兄弟会は、高齢化、世俗化の影響を受け減少、ただしクロアチア、ボスニア・ヘルセコビア、リトアニアでは会員が増加している状況。 アフリカは、様々な問題はあるものの、色々な手段を用いて在世フランシスコ会について教育をおこない会員が増加傾向。 アジア・オセアニア地域は、それぞれの国の事情で多様な状況。フィリピンやオーストラリア、ニュージーランド以外は、キリスト教国ではなく、また、日本、オーストラリア、ニュージーランドは、会員の高齢化の問題が顕著です。 北アメリカ、つまり米国とカナダは、それぞれに若い世代の獲得の努力をしています。 南米地域は、会員は相対的に貧しい者が多いですが、会の活動は非常に活発です。 さらに特別な地域としてアラブ諸国である ヨルダン、クエート、エジプトなどの国では改めて在世会の設立に向けて、フランス語圏の評議員が彼らの役割として努力しています。

 私は、日本在世フランシスコ会における会員の急速な高齢化とそれに伴う問題に関して総長 ティボール・カウザーに総会に先立って報告しておりましたが、上記の報告は、かなり私たちの状況を理解して下さった上でなされたように感じました。






在世フランシスコ会 第XV回国際総会002

 昨日は、各国の評議員が午後に会場であるSeraphicumに相次いで到着。私にとってすでに知り合いの評議員たちや久しぶりに会った懐かしい顔も多く、フランシスカンとしての兄弟愛を確認しました。
  夕方、17:00から総会の始めを祈念して、S.Em.za Cardinal Pierrot Parolin の臨席をえて開会ミサが行われました。参加者は、70ヶ国以上、オブザーバーも含めると100ヶ国以上にのぼります。ミサも含めてすべて在世フランシスコ会の公用語である英語、イタリア語、スペイン語、フランス語が使われ、会議では同時通訳がつきます。
 開会ミサでは、イタリア兄弟会が、素晴らしい歌声で聖歌隊を務めて下さいました。また、ミサ後に参加者への歓迎の気持ちを込めて映画「ブラザーサン・シスタームーン」からの楽曲を歌って下さいました。
 会場は、Seraphicumは、ローマ郊外のコンベンツァルがもっている施設です。私は、インドネシアの兄弟とルームシェアしています。開会ミサの様子は、 国際議長団ciofsのFacebookにもあげられていますのでご覧下さい。



2017年11月7日火曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会開催

在世フランシスコ会 第XV回国際総会
     11月4日~11日、ローマで開催



 第15回国際総会に日本在世フランシスコ会を代表して竹田文彦全国兄弟会会長が出席しました。


  第XV回国際総会のシンボルマーク



 シンボルマークの意味


 今回の総会のテーマ、「あなたがわたしを世につかわされたように、わたしも彼らを世につかわしました。」
                ヨハネ福音書の第17章18節


 イエスが使徒たちを世に遣わしたように、私たち在世フランシスコ会会員も師父フランシスコに倣ってキリストの福音を世に伝えていく使命を担っていることを描いたもので、鳩は平和を、私たちの在世会会員としての道が未来へと続いていることを表しています。




これからの会議の様子を、竹田会長が伝えてくれます。


 トルコのイスタンブール空港でイタリア行きの飛行機を待っています。
 ローマで開かれる第XV回在世フランシスコ会国際総会に参加するのが目的です。


 在世フランシスコ会は、3年に一度、このような国際総会を開くことになっており、すでに本部から認可を受けた国の兄弟会としては約70ヶ国、これから認可を目指す国の兄弟会も含めると100ヶ国の国の国際評議員が集まり、向こう3年間の会の活動に関する様々な問題について話し合い、決めることになっております。
 会議は、英語、イタリア語、スペイン語、フランス語の同時通訳で行われます。開催地も、いつもイタリアではなく、過去にスペイン、ブラジル、ハンガリーなどでも開かれたことがあります。


 11月4日から11日まで密な討議が行われることになっていますが、全国会長/国際評議員として参加する私にとって、会員の高齢化が進んでいる我が国の状況と、若い会員も多く活動的な多くの国の在世会の違いは大きく、日本兄弟会として様々な案件にどのように意見すべきか悩ましいところです。

2017年5月14日日曜日

アジア・オセアニア会議模様 ⑭ 「喜び」と「兄弟愛」

 第5回目アジア・オセアニア会議の概要は、すでに報告した通りですが、フランシスカン霊性の重要な一つに「喜び」と「兄弟愛」があります。フランシスカンの集まりは、真剣な話し合いや討議とともに、兄弟姉妹たちとの交流も大事なことです。


 今回のアジア・オセアニア会議においても、毎日、ミサをあげ、一緒に祈った他、毎日、その日の会議終了後、午後8時より、Franciscan Joy、つまり、兄弟姉妹たちとの交流会が、ある晩は、インド+パキスタン兄弟会によって、またある晩は、インドネシア兄弟会によって、さらに、別の晩は、韓国兄弟会によって、また、フィリピン兄弟会によって、そして、中国+台湾+香港兄弟会によってダンスや歌などが披露されました。残念ながら、日本からの会議参加者は私一人でしたので、中国+台湾+香港チームに混ぜてもらい、私も、日本の歌などを紹介しました。


 また、会議半ばの日曜日には、中休みとして午後に兄弟姉妹たちとTanah Lot Temple と呼ばれる海岸線の美しい場所に立つヒンドゥー教寺院を訪問したり、すべての会議終了後、帰国前に、会議が開催されたバリ島デンパサール市の中心にあるBajra Sandi Monument、エメラルドブルーの海岸のPandawa Beach、そして 絶壁に立つヒンドゥー教のUluwatu Templeとその野外劇場での伝統舞踊ダンスの鑑賞などをしました。


 兄弟姉妹との楽しい交わりの一端を添付写真などから感じ取って下されば嬉しいです。以上で、第5回在世フランシコ会アジア・オセアニア会議の報告を終わります。


                                                  報告 竹田文彦

2017年5月8日月曜日

アジア・オセアニア会議模様 ⑬ 「少数者対する配慮」

第5回アジア・オセアニア会議の最後の課題は、「少数者対する配慮」です。

 多民族国家における少数民族、移民、宗教的少数者、そして、話題となっているLGBTなどの性
的少数者など、とかく差別や迫害、ヘイトスピーチなどの対象とされがちな人々の人権、権利の擁護などの問題です。このような問題と特に取り組んでいる、今回の会議開催国のインドネシア兄弟会、パキスタン兄弟会、タイ兄弟会の現状と取り組みが紹介されました。

  インドネシアは、多民族国家でもあり、宗教の自由は保証されているものの、87.18%を占める大多数のイスラーム教徒に対して、6.96%のプロテスタント、2.91%のカトリック、1.68%ヒンドゥー教、0.72%仏教、0.05%儒教、0.05%その他となっている。そんな中で少数者に対する宗教的非寛容や宗教的理由による暴力や虐待が問題になっているし、イスラーム教徒による政治的圧力やポピュリズムの台頭などが問題となっている。

 タイ王国の場合は、95%の仏教徒、イスラーム教徒が、3.8%、キリスト教徒0.5%、ヒンドゥー教徒0.1%となっている。また、タイに住んでいる2,000人のインド人は、ヒンドゥー教徒とシーク教徒に分かれている。タイにおいては、多数派の宗教の信者も少数派の宗教の信者も認められており、国王によって保護されている。国王夫妻が、ローマにヨハネ・パウロ二世を表敬訪問したり、国王がウボンラーチャターニーカトリック司教区を訪問したりしたこともあり、仏教国タイ王室とカトリック教会の近しい関係が見てとれる。まさにフランシスコの宗教間対話の精神のモデルとも言える。宗教の違い、世代の違いなどを超えて、人間の基本的生の次元における喜びや悲しみ、苦しみを分かち合っていく心こそ重要であると感じた。なお、タイにおける問題点としては、霊的補佐役が根本的に不足していること、新たな会員がなかなか獲得出来ないなどがある。(報告して下さったのは、霊的補佐としてタイに赴任されたフィリピン人のシスターです。)

 パキスタン兄弟会の場合、基本的にイスラーム教徒の国。特に、地域によりかなり過激なイスラーム教徒がいたりする。遠隔地の兄弟会を訪れるのは交通手段など非常に難しく、また、排他的イスラーム教徒が支配している地域では危険も伴う。そんな非常に厳しい状況の中でパキスタン兄弟会は、対話の促進に努めてきた。

 以上のような報告がなされました。アシジのフランシスコは、周辺に追いやられた人々、弱者の側に立ち、自らも小さい者として生きられました。今日、一方でグローバル化が進み、多様な在り方が認められつつある一方で、国を追われた難民が出たり、格差が広がり、また自分と異なるものに対する嫌悪やヘイトスピーチ、差別、迫害などが無くなりません。在世会員として、師父にならって少数者のために何が出来るか、報告を聞きながら考える必要を感じました。

以上が、第5回アジア・オセアニア会議において議論された課題です。すべての会議のまとめは、後日、出される予定になっておりますが、概要を報告させて頂きました。
なお、朝のミサから晩の祈りまで報告しましたような在世フランシスコ会を取り巻く様々なテーマについて話し合いとグループ討議がずっと繰り返されたわけで、大変疲れましたが、とても勉強にもなりました。国によって在世会の在り方は、かなり異なっていますが、誓約を立て、在世フランシスコ会会員となることは、世界の100カ国以上に広まる在世フランシスコ会の一員、兄弟姉妹の一人になることを意味しています。会員の皆様が、在世会への召命の喜びととも、責任も担っていることを改めて意識するようにしましょう。


写真(上1番目)は、台湾、香港、日本からの参加者たちです。
                                                レポート 竹田文彦

2017年5月2日火曜日

アジア・オセアニア会議模様 ⑫ 「高齢化の問題」

 4日目午後のテーマは、日本の在世会にとっても切実な問題となっている会員の高齢化の問題です。


 会員の高齢化はどの国でも深刻なようで、オーストラリア兄弟会、ニュージーランド兄弟会、韓国兄弟会の現状と高齢化に対するそれぞれの取り組みが紹介されました。
  オーストラリア兄弟会の場合、キリスト教徒は、人口の61.1%、無宗教22.3%、不明9.4%、仏教、イスラーム教がそれぞれ2.5%、ヒンドゥー教1.3%、その他となっており、誓約会員596人中、集会出席者数が362人、誓約したが、様々な理由により集会に出席しないか、出来ない会員が234人、養成中の会員が38人おりますが、兄弟会数は、28だそうです。
 会員の年齢分布は、集会出席者362人中、30歳未満の会員はおらず、30歳から50歳未満までが30人、50歳から70歳未満が116人、70歳以上が216人。集会に出席しない会員234人中でも、30歳未満の若い会員はおらず、30歳から50歳未満は4人、50歳から70歳未満が30人、70歳以上が200人と、完全に高齢化しており、さらに高齢の会員、それも集会に出席出来ない会員が増えていく見込みです。


  このような厳しい状況の中で、オーストラリア兄弟会は、会を維持していくための方策として、
オーストラリア兄弟会の『規則』に、活性化担当評議員についてその役割を記載する。
すべての段階の評議会、各地、地区兄弟会に活性化担当評議員をおく。
『会憲』第45条に基づいて、すべての兄弟姉妹が会の活性化の責任を認識するとともに在世会への志願者の開拓をする。
高齢の会員は、彼らの経験を若い世代の会員に伝える。
若者の在世会へのリクルートのために具体的な方策を考える。
インターネット、フェイスブックなど電子メディアを活用する。
地域のカトリック教会、修道会と協力していく。
リクルートにおいては、様々な若者を惹きつけるツールや物品を活用する。パワーポイント、ティシャツ、アニメーションなど。
各地兄弟会レベルでもただ訪問者が来るのを待つのではなく、通常の集会と別に、会員開拓のための集会を開く。
兄弟会、そして会員の一人一人が喜びをもってフランシスカンとしての召命を生き、その生き方によって人々を惹きつけなければならない。
キリストを中心とした福音的生き方の実践、兄弟姉妹相互の兄弟愛、深い祈りと霊性、これらのための会員の生涯養成。


 ニュージーランド兄弟会の場合も、70歳以上が会員の50%を占め、69歳から65歳が30%、64歳以下の会員は、わずかに20%で、明らかに会員の高齢化が進んでいる。その状況に対して、
在世会会員は、それぞれの兄弟会、それぞれが属している社会において、高齢化の問題と取り組む義務がある。
フランシスカンの小中学校では、子供たちにアジジのフランシスコについて話したりする機会を設けてもらったりしつ、フランシスカン霊性を広める努力をする。
高齢の会員は、積極的に自分たちの経験を若い会員たちと分かち合うとともに、自分たちのやり方を単に維持させようとはせず、若い会員の考えや発想を取り入れる。
さらに高齢で集会に容易に参加出来ない会員に対しては、集会の様子を知らせる会報を送ったり、時には、自宅や病院を訪問してあげることにより、終生在世フランシスコ会会員として召命を全う出来るように助ける。
高齢の会員を孤立させない。


韓国兄弟会の場合は
 誓約会員13,764人、うち35歳以下は、1.17%、35歳から49歳が、6.39%、50歳から65歳が、49.2%、66歳以上が、44.1%。とやはり高齢化が進んでいます。
  高齢化の理由としては、若者たちは、あまりに学校や地域の教会活動などに忙し過ぎる、また、若者たちは、あまりに高齢な会員と在世会に加わり、一緒に活動することに多少躊躇してしまうなどがあげられ、若い会員の獲得は困難となっている。
 これらのことにより、兄弟会のために奉仕してくれる新会員を見付けるのは難しく、また高齢の会員は、身体的理由により集会に参加するのも困難になり、ましてや、JPICに関わる活動などは、ほとんど出来ないことになっている。

対策としては
55歳以下の方の在世会への勧誘を積極的に行う。
召命の識別を強める。
ユフラ会員が、そのまま在世会員になってくれるように働きかける。
若者たちの召命のために、リトリートやワークショップを企画する。

 努力の結果
高齢化の進展を防ぎ、65歳以上の会員が全在世会員に占める割合は、50%のままに留まり、入会志願者の大半が、若返ることに成功した。(志願者の19.7%、約2割が35歳から49歳)

  つまり、積極的な若い会員獲得のリトリートをしなければならない。もちろん、他方、高齢者の会員は、私たち在世会にとって宝物であり、これまで一生懸命活動し、今は、祈りにおいて会を支えてくれているので、出来る限り頻繁に彼らの家や病院を訪問してあげるべきである。

 以上、3つの国の高齢化の状況とそれに対する対策を聞きましたが、日本の高齢化の状況は、さらに深刻だと感じていますので、副総長に改めて日本の状況についてのアドバイスを願ったところ、次のような回答が返ってきました。
  「まず、高齢化は、世界のどこでも程度の差こそあれ、起こっている。私は、副総長として、それを高齢化の問題と呼ぶこと自体、あまり好きではない。それは、むしろ、新会員、特に若い会員をいかに開拓し、リクルートするかの問題だと思う。高齢化したからと言って、ただ若い会員が来てくれることを祈ったり、待っているなら、それは、兄弟会としての死を待っていることに過ぎない。それこそ、祈りは、高齢の会員に任せておいて、評議会の中の比較的若い会員(50代以下)や気持ちの若い会員が中心となって、地域や兄弟会を越えて、若者たちの在世フランシスコ会への召命を開拓するために、様々な新しい企画を新しい発想で行いなさい。
 無理だとして諦めてしまうのは人間の考えであり、神の業は、全く違う。奇跡すらも起こせる。そのことを信じて、日本在世会は、即動きなさい!弱気になってはダメ。」

  副総長のチェリートさん(ベネゼエラ人女性)は、このようにとても、強い調子で励まして下さいました。
                                                 レポート 竹田文彦

2017年4月28日金曜日

アジア・オセアニア会議模様 ⑪ 「JPICについて」

昼休みを挟んでさらにJPICについて
 日本にも数年前に来られたことのある国際総補佐のFr. アマンド(TOR、メキシコ)の講話と韓国、オーストラリアの実践報告がなされた後、グループに分かれてグループディスカッションと、まとめが行われました。
  JPIC、つまり!Justice, Peace and Integration with Creation、正義と平和、被造物との連帯(エコロジー)のことですが、世界中のどこでも対立や紛争、貧困、環境破壊の問題が起こっています。問題は、一つの国だけでは解決出来るものではありません。教皇フランシスコがフランシスコの『太陽の賛歌』にインスピレーションを受けて『ラウダート・シ』を出されたように、私たち在世フランシスコ会会員も、JPICの問題と取り組まなければなりません。
 この点に関して、国際総補佐のアマンド神父様、そして、韓国兄弟会とオーストラリア兄弟会の実践例が紹介された後、また小グループに分かれてそれぞれの国の取り組み、現状などを話し合いました。
  アマンド神父様は、私たちがJPICに取り組むべき根拠を旧約聖書(創世記の神による世界創造、出エジプト記のエジプトで奴隷状態にあったイスラエルの民の解放、シナイ山での十戒の契約、預言者たちの言葉)、新約聖書(ルカ4:18-19、6:20-26、ヨハネ10:10、ルカ16:19-31、マタイ25:31-46のイエスの教え、使徒言行録2:44-45、4:32-35)、教父たちの言葉、教皇たちの発言、さらに『カトリック教会の社会教説』、そして私たちの師父フランシスコの言葉に詳しく説明して下さいました。残念ながら日本の場合は、在世会としての活動はしていませんが、会員の兄弟姉妹は、それぞれ教区の教会などで様々なJPICの活動をされている方もいらっしゃると思います。


JPICについて出された分かち合いや意見は、
・ いくつかの国の兄弟会は、JPICの活動に熱心に取り組んでいるが、それは、私たちフランシスカンにとって神からの大切な呼び掛けであり、会の活性化にも役立っている。
・JPICは、フランシスカン霊性に不可欠なものだが、それぞれの各地兄弟会の置かれている状況において実践されるべきであり。
・いくつかの国においては政治状況などによりJPICの活動が難しい場合もある。
・会員があまりJPICの問題を知らなかったり、積極的でないケースもある。
・人身売買やセックス産業、家庭内暴利、多国籍企業による搾取や環境破壊は複数の国をまたがった問題で国の在世会相互の協力が求められる。
・社会の問題に関わるだけではなく、まずは、家庭内の平和を築くことが肝要。
・3R = reuse, reduce, recycle (再利用、無駄を省く、再利用) を日常の生活から心掛ける。
・未来を担う、貧しい子供たちの救育をサポートする。など。
                                                レポート 竹田文彦

      講話する総補佐のアマンド神父様


2017年4月26日水曜日

アジア・オセアニア会議模様 ⑩ 「ヤングフランシスカン」

次の課題は、ヤングフランシスカンです。


 ご存知の方もおられるかもしれませんが、よりも若い年代のための会です。15歳から30歳までのフランシスコが好きな若者の会ですが、アジア・オセアニアの各国にあり、今回もその代表が10人近く会議に参加しています。彼ら彼女たちは、修道士、修道女になる者もいますし、そのまま在世フランシスコ会の会員になるものもいますが、拘束はありません。若者たちが、全国レベル、国際レベルで繋がって、それぞれの将来を考える会と言っても良いかもしれません。
 独自の規則をもち、在世会にその指導や霊的同伴が義務づけられています。つまり、在世会と密接に結びついているのです。そしてヤングフランシスカンの代表も会議に招かれます。(在世会『会憲』参照)
  私自身、京都で活動していたヤングフランシスカンの出身ですし、東京にもヤングフランシスカンが以前ありましたが、残念ながら今は、日本にはありません。

  今日の呼び名は、ヤングフランシスカンではなく、Franciscan Youthからユフラ(Youfra)と呼ばれていますが、改めて日本でもユフラを再度作ることが望まれていますが、ただ自然発生的には生まれないので活性化の一つとして真剣に考えないといけません。これは、私たち日本兄弟会の将来の問題です。


グループ討議の中で出された課
・あまりにも多くの若者たちのためのグループがあり、ユフラを選んでもらうためには魅力と努力が求められる。
・小さなユフラグループは、どうするか?
・若者たちをフランシスカンに導くにはどうしたら良いか?
・若者たちは、就職や結婚といった転機に移動してしまう。リーダー的な中心のメンバーが抜けた時、グループ自体が消滅してしまわないように次のリーダーを見つけなければならないが難しい。(日本の意見)
・ユフラのメンバーが、在世フランシスコ会に入会しようとしてもあまりの世代の違いに驚愕してしまう。(日本の意見)
・ユフラ自体が知られていない。
・ある国の地域では司教が教会を超えた若者のグループを作ることを嫌っている。
・今日の電子機器をできるだけ活用して若者たちを惹きつける努力を怠ってはならない。
・今日、若者たちは、あまりに物質主義的なものに侵されている。これが問題。


提案
・教会、地域を越えてフランシスコに関心のある若者たちを集めてワークショップを開く。
・フランシスカン系の学校と協力してリクルートする。
・ユフラのメンバーが容易に在世会会員になれるように努める。暖かい雰囲気が必要で、大人から押し付けるような高圧的雰囲気は良くない。
・若者たちにフランシスカン霊性を様々な社会問題、貧困、エコロジー、戦争の問題に関連して伝える努力をする。
・修道会への召命と在世会への召命を互いに若者の取り合いにならないようにする。
・修道会、教区司祭とユフラの設立のために協力する。
・他方、ユフラのメンバーも教会の活動に積極的に参加して模範を示し、他の若者たちをユフラに惹きつける。
・ユフラの活動については、在世フランシスコ会国際議長団ホームページを参照する。
など


                                                 レポート 竹田文彦
写真は、参加しているユフラの代表たちです。


2017年4月25日火曜日

アジア・オセアニア会議模様 ⑨ 「会員管理の問題」

 フランシスカン・インターナショナルからの報告に続き、在世会員管理の問題に関して、韓国、ベトナム、フィリピン、各国の国際評議員から報告があり、ランチを挟んでグループ討論と討論のまとめが行われました。


昨今見られる問題は、
・会員が在世会の組織を理解しておらず、単なる信心会と勘違いしている。
・会員の高齢化により、連絡が取れなくなった、り、消えてしまう会員もいる。
・入会者の減少とともに養成不足による会員としての帰属意識が希薄になっていて、せっかく誓約してもすぐに辞めてしまう人も多い。
・退会を申し出ずにただいなくなってしまう会員も多い。
・言葉や文化の違いが障害になっているケースもある。
・いくつかの国では会員名簿が整備されていない。ある場合は、プライバシーの問題。
・遠隔地にある兄弟会には連絡も実際に行って現状を把握するのも難しい。
・いくつかの国では、霊的補佐自体が修道会への召命のためか、在世会への入会を邪魔しているケースもある。
・全国兄弟会に従おうとしない各地兄弟会の会員に関するデータを入手することは難しい。
・移民など会員の移動の際は、もとの国と移動先の国の兄弟会が協力して連絡をとることが大切である。


提案として、
・ 会員管理のための共通の書式を作成する。
・ コンピュータなどのデータベースを活用する。
・ 会員の金祝や銀祝などをきちんと把握する。
                                                レポート 竹田 文彦


アジア・オセアニア会議模様 ⑧ 「Franciscan International」

アジア・オセアニア会議4日目


 朝にFranciscan International に在世会代表として関わっている姉妹(香港人)からの報告がなされました。すべてのフランシスカン家族に属する第一会の修道士、第二会はのクララ会のシスター方、TORを始め、すべての律修第三会のシスター方、そして在世会は、フランシスカン・インターナショナルとして、 貧困、差別迫害、難民など世界の様々に虐げられている人々のために国連に代表を送り、働きかけをしています。ジュネーブ本部での活動について聞きました。日本の在世会員も全員、フランシスカン・インターナショナルのメンバーです。


                                                レポート 竹田 文彦