第5回アジア・オセアニア会議の最後の課題は、「少数者対する配慮」です。
多民族国家における少数民族、移民、宗教的少数者、そして、話題となっているLGBTなどの性
インドネシアは、多民族国家でもあり、宗教の自由は保証されているものの、87.18%を占める大多数のイスラーム教徒に対して、6.96%のプロテスタント、2.91%のカトリック、1.68%ヒンドゥー教、0.72%仏教、0.05%儒教、0.05%その他となっている。そんな中で少数者に対する宗教的非寛容や宗教的理由による暴力や虐待が問題になっているし、イスラーム教徒による政治的圧力やポピュリズムの台頭などが問題となっている。
タイ王国の場合は、95%の仏教徒、イスラーム教徒が、3.8%、キリスト教徒0.5%、ヒンドゥー教徒0.1%となっている。また、タイに住んでいる2,000人のインド人は、ヒンドゥー教徒とシーク教徒に分かれている。タイにおいては、多数派の宗教の信者も少数派の宗教の信者も認められており、国王によって保護されている。国王夫妻が、ローマにヨハネ・パウロ二世を表敬訪問したり、国王がウボンラーチャターニーカトリック司教区を訪問したりしたこともあり、仏教国タイ王室とカトリック教会の近しい関係が見てとれる。まさにフランシスコの宗教間対話の精神のモデルとも言える。宗教の違い、世代の違いなどを超えて、人間の基本的生の次元における喜びや悲しみ、苦しみを分かち合っていく心こそ重要であると感じた。なお、タイにおける問題点としては、霊的補佐役が根本的に不足していること、新たな会員がなかなか獲得出来ないなどがある。(報告して下さったのは、霊的補佐としてタイに赴任されたフィリピン人のシスターです。)
パキスタン兄弟会の場合、基本的にイスラーム教徒の国。特に、地域によりかなり過激なイスラーム教徒がいたりする。遠隔地の兄弟会を訪れるのは交通手段など非常に難しく、また、排他的イスラーム教徒が支配している地域では危険も伴う。そんな非常に厳しい状況の中でパキスタン兄弟会は、対話の促進に努めてきた。
以上のような報告がなされました。アシジのフランシスコは、周辺に追いやられた人々、弱者の側に立ち、自らも小さい者として生きられました。今日、一方でグローバル化が進み、多様な在り方が認められつつある一方で、国を追われた難民が出たり、格差が広がり、また自分と異なるものに対する嫌悪やヘイトスピーチ、差別、迫害などが無くなりません。在世会員として、師父にならって少数者のために何が出来るか、報告を聞きながら考える必要を感じました。
なお、朝のミサから晩の祈りまで報告しましたような在世フランシスコ会を取り巻く様々なテーマについて話し合いとグループ討議がずっと繰り返されたわけで、大変疲れましたが、とても勉強にもなりました。国によって在世会の在り方は、かなり異なっていますが、誓約を立て、在世フランシスコ会会員となることは、世界の100カ国以上に広まる在世フランシスコ会の一員、兄弟姉妹の一人になることを意味しています。会員の皆様が、在世会への召命の喜びととも、責任も担っていることを改めて意識するようにしましょう。
写真(上1番目)は、台湾、香港、日本からの参加者たちです。
レポート 竹田文彦
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