2012年10月7日、韓国在世会創立75周年記念祝賀行事に、日本から京会長と2名が参列して参りました。
隣国の在世会と、このような近しい交わりを持つことは大きな恵みであると感じます。微力ながら遣わされた2人でしたが、常に日本の会員のみなさまの祈りという形での思いを感じながら、兄弟愛に支えられ、また先方も私たち二人とともに日本の会員全員を感じて交わりを持ってくださいました。
日本在世会の皆様お一人お一人の祈りが、大きな霊的花束となって韓国の兄弟姉妹に届けられ、祝賀記念司教ミサの中で、韓国会長自らが特別な感謝と愛情をもって、韓国語と日本語で書いた日本からの色紙を読み上げて下さり、お捧げする各お祈りの回数が読み上げられる度に、集まった6千人の会員からどよめきに似た歓声と盛大な拍手が送られ喜びを表してくださいました。
祝賀会の合間には個々の会員が握手やハグをもって挨拶してくださったり、数日後の全国役員との会合でも、心の底から「本当に嬉しい!」「本当にありがとう!」と何度も繰り返され、皆様に感謝を伝えて欲しいという言葉を頂きました。祈りによって、まだ見ぬ日本の兄弟姉妹と韓国の兄弟姉妹同士が時空を超えて聖霊の豊かな交わりのうちに招かれたのでしょう。祈りに長い時間をかけてくださった皆様お一人お一人に大きな恵みと喜びがありますように!関わってくださった全ての方々、韓国語の指導を下さったアントニオ・キム助祭様にもこの場をお借りして深く感謝致します。主が祝福してくださいますように。
韓国在世フランシスコ会創立75周年記念ミサに集う 6千人の在世会員とフランシスカンファミリー (右下写真も同じ) |
韓国の在世会はカトリック教会全体の躍進的発展と相まって、現在会員数は一万人を超えています。ファミリーとのしっかりした協力体制、組織運営により、会員は毎年増え続けています。会員は自らの回心の生活のみならず、在世会として社会活動にも活発に参加し、社会の中で見える形でキリストを宣べ伝えているということでは、在世会の本来的意味を十分に発揮していると言えるでしょう。一番近い隣国の兄弟会として、わたしたちは小規模ながらも学ぶところが大変多くあります。事前にお互いの国の状況と質問項目を用意し連絡し合いましたが、韓国から頂いた資料(会員数などの統計的かつ多角的分析のデーターや自国在世会の歴史等)に見合う資料が日本側は不十分であることに気づかされ、出発前から学びの大きな恵みを頂きました。規模の違いから、全く同じようにできませんし、することもないのですが、これからの対外的な交わりにおいて、日本在世会をしっかり紹介できるような基本的な内容をまとめて用意しておくことは、私たち会員がアイデンティティーを確認していく上でも、とても重要なことでしょう。
到着1日目:空港には、元日本で大使館員を務められていたアンドレア兄が日本語の通訳を兼ねて、出迎えてくださいました。宿泊先のOFM修道院では、台湾で知り合い、私たちの滞在と交流の準備してくださった国際評議員オーガスティン兄、全国評議員ボナ姉が迎えてくださり、敷地内の教育会館内にある在世会のオフィスに案内され、夕食にも招かれました。会長は電話でご挨拶下さいました。他の評議員も祝典の会場設営などで大忙しの中、迎えてくださったこと自体が予期せぬことで、申し訳ない気持でした。
滞在2日目:オーガスティン兄、アンドレア兄が所属するシルベスター兄弟会から生まれた「子兄弟会」、ジャコバ兄弟会の月例会が教育会館でありました。「子」であるのに参加は160名(大きな各地兄弟会にはその下に地区割の兄弟会があります。この区域兄弟会の大きさで20~40人の規模です)。聖堂で教会の祈りに続き、会長の挨拶や伝達事項に続き、一人の具体的な信仰体験の分かち合い、その後4つのグループ(生涯養成1、訪問期1、初期養成2)が別室で養成研修。この養成の状況こそ、今回の韓国訪問の大切な目的の一つでした。完璧ともいえる養成テキスト(全三巻)に養成者用のテキスト(全三巻)が韓国の養成の基となり、志願者は四年かけて勉強し、四年目に有期誓約をたてます。滞在中に肌で感じた会員としての自覚と熱心さは国民性的気質というより、内から溢れる召命への応答そのものでした。養成研修終了後、ホールでチョゴリを着た5人の会員の銀祝のセレモニーがあり、韓国の伝統的お餅やお菓子などで祝いました。続いて、ミサも銀祝祝いのミサで、お祝いされる人たちをとことんお祝いするという、喜びの気持の表し方に非常にイタリア的な明るさを感じました。大きな兄弟会の横の繋がりや交わりがどのようになされるかを知ることも目的の一つでした。毎集会後に発行されるレター(A3裏表)には集会の内容、また出席者、欠席者の統計等も記載され、会の管理運営がしっかりしています。集会においては160名が祈りなどで見事に繋がっていきます。
特にミサ中の平和の挨拶は時間をかけて皆が移動しながら一人ひとりと兄弟愛を分かち合います。私たちも集会の初めと最後に紹介と挨拶をし、花束を頂きました。修道院のマリア様にお捧げしました。銀祝のミサでは儀式があっただけで、盛大さも、両形態の拝領も、通常の月例集会ミサと同じだそうです。
滞在2日目:アンドレア兄ご夫婦が早朝迎えにきてくださり、ソウルから車で二時間くらいの会場であるテジョン市に向かいました。途中、ドライブインでの朝食に、奥様のローザ姉がお餅を用意して下さっていました。すでにタウをした兄弟姉妹がバスから降りてきて、殆ど知り合いのいなかった韓国に、大勢の家族がいて皆同じ地を目指して集まっている光景に胸が熱くなりました。確かに、会場である武道館を小型にしたような競技場前の通りは次々に到着するバスに塞がれ、そこから降り立つ人の列は圧巻でした。出迎える係のボランティアもチョゴリにタウの棒がけ。みなが家族として挨拶を交わしていく温かさでした。
月例集会は受付でこの賑わい |
フランシスコ会の司教様司式のミサは在世会の聖歌隊、会場中の素晴らしい歌声で始まりました。多くのファミリーの司祭修道士シスター方が列席される中、何ヶ月もかけて各地区が用意した大地の実り(各地の産物)と会員全員が参加した聖書全巻の写本の奉納行列、見たことのないような大きなご聖体の聖変化。 75周年を向かえる感激が会場中に満ちました。このミサの中で日本の祈りが紹介されました。そして、午後にはそれぞれの地区、ヤングファミリーが歌、踊り、聖劇、伝統をプロ並みの技量で披露し、見る側も一体になって会場が一つになり、兄弟的交わりが深められていく素晴らしさを体験させて頂きました。
滞在3日目:全国役員の方々は1日休養日のためフリー。歴史的史跡訪問と打ち合わせ。
滞在4日目:全国役員との会合。出発の日でありましたので半日、短い時間でしたが、お互いに知り合い、問題点や今後の展望、協力の可能性などを分かち合い、有意義な話し合いをいたしました。この内容は追って、今後の展開の中で何かの形で皆様にお届けしたいと思います。訪問の詳細も韓国訪問記として改めてご報告いたします。
今回の訪問はフランシスコの祝日と信仰年の始まりのミサに挟まれる時期で、アジアにおける在世会の存在について考える良い機会となりました。来年アジアオセアニア大会が韓国のソウルで行われることもあり、韓国は間違いなくアジアにおいて次世代のリーダーシップを担うに相応しい実力と実績を持った兄弟会です。規模が小さい日本の事情、逆に韓国にはない良さという点を、韓国の会長はじめ評議員が認識されている上で、アジアの将来において日本と良いパートナーシップをもってやっていきましょうということでした。空港まで見送ってくださったオーガスチン国際評議員とは最後にこのような言葉で今回の訪問を締めくくった次第です。先ずはともあれ、顔を合わせて会う、友達になる、そのような段階を経て信頼関係を深めていくということの第一歩になったと思います。限られた役員だけではなく、将来的には一人でも多くの会員が、他国の兄弟姉妹と実際に出会っていけるような交わりに発展しますよう、願っております。
(文責/国際評議員・上野まさみ)
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