日本にも数年前に来られたことのある国際総補佐のFr. アマンド(TOR、メキシコ)の講話と韓国、オーストラリアの実践報告がなされた後、グループに分かれてグループディスカッションと、まとめが行われました。
JPIC、つまり!Justice, Peace and Integration with Creation、正義と平和、被造物との連帯(エコロジー)のことですが、世界中のどこでも対立や紛争、貧困、環境破壊の問題が起こっています。問題は、一つの国だけでは解決出来るものではありません。教皇フランシスコがフランシスコの『太陽の賛歌』にインスピレーションを受けて『ラウダート・シ』を出されたように、私たち在世フランシスコ会会員も、JPICの問題と取り組まなければなりません。
この点に関して、国際総補佐のアマンド神父様、そして、韓国兄弟会とオーストラリア兄弟会の実践例が紹介された後、また小グループに分かれてそれぞれの国の取り組み、現状などを話し合いました。
アマンド神父様は、私たちがJPICに取り組むべき根拠を旧約聖書(創世記の神による世界創造、出エジプト記のエジプトで奴隷状態にあったイスラエルの民の解放、シナイ山での十戒の契約、預言者たちの言葉)、新約聖書(ルカ4:18-19、6:20-26、ヨハネ10:10、ルカ16:19-31、マタイ25:31-46のイエスの教え、使徒言行録2:44-45、4:32-35)、教父たちの言葉、教皇たちの発言、さらに『カトリック教会の社会教説』、そして私たちの師父フランシスコの言葉に詳しく説明して下さいました。残念ながら日本の場合は、在世会としての活動はしていませんが、会員の兄弟姉妹は、それぞれ教区の教会などで様々なJPICの活動をされている方もいらっしゃると思います。
JPICについて出された分かち合いや意見は、
・ いくつかの国の兄弟会は、JPICの活動に熱心に取り組んでいるが、それは、私たちフランシスカンにとって神からの大切な呼び掛けであり、会の活性化にも役立っている。
・JPICは、フランシスカン霊性に不可欠なものだが、それぞれの各地兄弟会の置かれている状況において実践されるべきであり。
・いくつかの国においては政治状況などによりJPICの活動が難しい場合もある。
・会員があまりJPICの問題を知らなかったり、積極的でないケースもある。
・人身売買やセックス産業、家庭内暴利、多国籍企業による搾取や環境破壊は複数の国をまたがった問題で国の在世会相互の協力が求められる。
・社会の問題に関わるだけではなく、まずは、家庭内の平和を築くことが肝要。
・3R = reuse, reduce, recycle (再利用、無駄を省く、再利用) を日常の生活から心掛ける。
・未来を担う、貧しい子供たちの救育をサポートする。など。
レポート 竹田文彦
講話する総補佐のアマンド神父様