2017年11月12日日曜日

在世フランシスコ会 第XV回国際総会015・016・017

写真は015
 総会6日目、コンベンツァル聖フランシスコ修道会Marco Tasca総長によるフランス語ミサ、朝食に続いて、総会テーマに関するラウンドテーブルが行われました。


 今回の総会のテーマは、すでに書きましたように「在世会員は、世に遣わされた者として、それぞれの生活においていかに福音を証しするか?」ですが、 最初にミラノ教区に住む40代の在世会イタリア人カップルが、教区の事業としてベネゼエラに派遣され、そこの貧しい人々のために働いた体験を分かち合ってくれました。 聖職者がイタリアでも減少している中で、信徒として宣教に派遣された素晴らしいお話でした。


コンベンツァル総長(私の左)とアジアの兄弟姉妹
 続いて環境保護に在世会員として積極的に取り組んでいる兄弟が、在世会会員の社会生活への関わりについて「会則」15条、「会憲」22条をもとに話されました。 我が国でも、すでに『ラウダート・シ』を用いて様々な勉強会などが開かれていますが、在世会会員として原発問題など、さらに取り組むべき多くの具体的課題があるように思います。


 その後、社会生活における在世会会員の召命について様々な議論が全体でなされましたが、在世会会員の政治参加に関しては、政治はともすれば汚い世界なので関わらない方が良いとする南米の兄弟姉妹の意見と、むしろ積極的に関わって社会に福音的価値を浸透させた方が良いという意見に別れました。


 日本兄弟会でも、一人一人の会員が在世における生き方について、真剣に話し合ってみても良いかもしれません。


016
総会が開かれているSeraphicum
 霊的補佐に関するプレゼンテーションでは、どこの国でも第一会の神父様やブラザー、またフランシスカン家族のシスターを霊的補佐になって頂くことが様々な理由で難しくなってきており、在世会会員が霊的補佐を務めなければならないケースも増えてきている。 そんな際に、霊的補佐を務める上で重要なことは何か、実際に霊的補佐も務めている兄弟から聞きました。 さらに霊的補佐役をする在世会会員の訓練を第一会と協力して行うことにすべきだとの提案がありました。

 日本の在世も適切な霊的補佐を見つけるのが困難になりつつありますから、在世会会員が各地兄弟会の霊的補佐を務めなければならない場合も出てくると思います。 (すでに私自身、一つの各地兄弟会の霊的補佐を務めています。)  しかし、あくまでも第一会からの任命によるとはいえ、様々な問題を認識しておくことは大切ですし、霊的補佐役の訓練について、やはり神父様方やシスター方も含めて研修会などが必要だと感じました。


017
予算案を説明するルーチョさん(右の男性)
 次に、財務状況について財務担当者のルーチョさんから今後、3年間の予算案が提示され、さらに副総長のチェリートさん(ベネゼエラ)、財務コミッションのアウグスティンさん(韓国)から説明がされました。

 しかし、出された予算案は、これからの3年間、少しずつ増加するもので、その財源についてどこから得るのか、用途について明確でない、また、それぞれの国の状況をきちんと把握していないなど、様々な意見や質問が相次ぎました。
 また、色々な国の国際評議員からの声を聞いていると、国際議長団が会費を決めたり、徴収するための資料としている誓約会員数そのものが、問題的で、実際的には高齢や連絡が取れない会員の数を多く含んでいる、自分たちの国はそんなに払えない、などの声がありました。実際に、きちんと会費を納めた国は、2014年は、112ヶ国中44ヶ国、2016年においても116ヶ国中72ヶ国、つまり62パーセントに過ぎません。

 議論が時間切れとなりましたので、この日は、各国ごとに疑問があれば夕食後に個別に財務担当者と話をすることになりました。






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